フラッシュストレージを発明したチームが、初めてフラッシュメモリーセルの動きを見たとき、データの消去や再書き込みの速さに驚きました。処理の速さがまるでカメラのフラッシュのように瞬時であったことから、チームはこの新しい媒体を「フラッシュ」と名付けました。

舛岡富士雄博士とその同僚たちが初期の形を開発してから30年以上たった今でも、フラッシュメモリーストレージはイノベーションとスピード、そしてデジタルカメラと深い関わりを持ち続けています。フラッシュメモリーストレージは、私たちの大切なコンテンツを撮影、編集、共有、保存する方法を根本から変革しました。その変革の最前線に創成期から立ち続けていたのがサンディスクです。
4Kでの撮影、バーストモードの写真撮影、シームレスなゲームプレイなどの場面で、サンディスクのイノベーションから生まれたメモリーカードのようなフラッシュストレージを活用したことがあるはずです。生成AIや仮想現実などの新しいテクノロジーが家庭や職場に広がる今、私たちはユーザーが次世代のパーソナルデバイスに対応できるよう準備を進めています。
SSD並みの速度をサンディスクのメモリーカードに組み込む技術開発
2010年代後半、サンディスクはSD Associationに、メモリーカードにPCIe®やNVMe™テクノロジーを搭載することを提案しました (PCIe®は複数車線の高速道路、NVMe™はその全車線を使って渋滞に巻き込まれることなく目的地にすばやく到達できるスポーツカーだとお考えください)。
このインターフェースとプロトコルの組み合わせは本来SSD向けですが、大容量を必要とする個人向けテクノロジーや没入型コンテンツの登場によって、メモリーカードにも高いパフォーマンスと大容量が求められるようになっていました。メモリーカードを将来にわたって使えるようにし、SSDの領域に近づけるために、サンディスクの技術者はPCIe®とNVMe™を有力なソリューションと考えました。

- PCIe®は、SSDなどのデバイスをパソコンに接続する高速物理インターフェースです。
- NVMe™は、デバイスがその物理インターフェースからパフォーマンスを最大限に引き出せるようにするためのファームウェアプロトコルです。
SD Associationに承認されたSD ExpressとmicroSD Expressプロトコルによって、メモリーカードに初めてPCIe®とNVMe™が正式に導入されました。そしてサンディスクのSD Express®およびmicroSD™ Expressカードは、これらの新しいプロトコルを初めて採用した当社製品であり、世界最速の性能であることは言うまでもありません。

- SD Associationは、メモリーカードテクノロジーの標準化を目的として、2000年にサンディスク、東芝、パナソニックによって設立されました。
- SD Associationには約1,000社の会員企業が加盟しており、最新のメモリーカードフォーマット規格の標準化を協力して進めています。
サンディスクの技術者たちは、PCIe®やNVMe™を活用して、SDやmicroSD™などのフォーマットにSSD並みの高速性能をもたらすことで、クリエイターやゲーマー、その他のユーザーが、ますます要求が厳しくなるワークフローの管理や最新ゲームに対応できるようになると考えていました。
SD ExpressカードとmicroSD™カードは最小128GB1の容量で提供されており、映画制作者が大量の映像をスムーズに処理し、写真家が高精細の4K撮影を行い、ゲーマーが小型ゲーム機でタイトルを快適にプレイできるように設計されています。各カードを詳しく見てみていきましょう。
ThermAdaptの開発でSD ExpressおよびmicroSDを実現
メモリーカードの速度を最適化してSSDに近いパフォーマンスを実現するには、PCIe®とNVMe™のテクノロジーを搭載するだけでは不十分でした。PCIe®やNVMe™が可能にする高速転送に達すると、フラッシュメモリーセルの温度が急速に上昇します。あまりにも急激に高温状態になると、故障のリスクが高まる可能性があります。
サンディスクの技術者たちは、この問題を回避するためにSSDにヒートシンクを組み込んでいます。これにより、SSDは最速のドライブが最大限に稼働しているときでも熱を逃がすことができます。激しい長時間のPS5®のゲームプレイでも安定して動作するWD_BLACK™ SN850Pを思い浮かべてください。

しかし、SSDに使うようなヒートシンクをメモリーカードに取り付けることはできません。メモリーカードが有用である理由の一部は、非常にコンパクトなパーソナルデバイスにも組み込める点にあります。そのため、サンディスクの技術者たちは、フォームファクターの基準に影響を与えることなく、発生する高熱を制御する方法を開発する必要がありました。
代わりに、サンディスクのチームは、ThermAdaptという新しい独自のテクノロジーを開発しました。カードを高い熱伝導性を持つ基板で包み込み、より効率的に熱を放散します。また、ホストデバイスの仕様に応じて動作し、各機器の特有の要件に基づいて熱を抑制できるよう、適応型の動的熱制御機構とアルゴリズムも組み込みました。

- メモリーカードはSSDのようにヒートシンクを取り付けるには小さすぎるため、ThermAdaptの開発が必要でした。
クリエイター向けのストレージ容量を再定義
クリエイター、ゲーマーをはじめとするほとんどのフラッシュストレージユーザーにとって、速度は極めて重要ですが、ストレージ容量も同様に重要です。
現場で活動するドキュメンタリー映画制作者も、撮影を指揮する写真家も、ドローンで旅の様子を記録するブロガーも、交換の手間を減らし、長時間撮影を続けられるメモリーカードを求めています。そこでサンディスクは、これまでで最大容量となるSDXCおよびSDUC UHS-Iカードを発表しました。

- メモリーカードは、SD(Secure Digital)やmicroSD(Micro Secure Digital)など、国際的に広く認められた標準規格に準拠しています。
- これ以外にも、SDXC(Secure Digital Extended Capacity)やSDUC(Secure Digital Ultra Capacity)などの追加規格があります。
サンディスク エクストリーム プロ SDXCおよびmicroSDXC™ UHS-Iカードの容量は2TBに達し、観る人の心を動かすコンテンツをさらに多く保存できるようにサポートしています。まもなく登場する4TBのサンディスク エクストリーム プロ SDUC UHS-Iカードは、サンディスクがフラッシュメモリーストレージの可能性をどこまで拡大できるかを示しています。
この大容量カードを使えば、映像をより長い時間記録し、データを高速に転送できるため、カードの交換を気にすることなく作業に集中できます。これらの製品は、極端な温度や落下、水濡れといった過酷な環境にも耐えられるように設計されており、創作活動がどこへ向かおうとも、安定したパフォーマンスを発揮します。
メモリーカードのリリースについての詳細
サンディスクのフラッシュイノベーションの歴史は、単なる速度向上や容量増加だけではありません。ThermAdaptから新しいSD ExpressやmicroSD™ Expressプロトコルまで、サンディスクは、クリエイター、プロフェッショナル、ゲーマー、そしてデータを日々活用するすべての人々に向け、より要求の厳しい没入感あるコンテンツの世界を支える基盤を築いています。
メモリーカードを購入するには、オンラインストアにアクセスしてください。今後の発売の詳細については、サンディスクのメールにご登録ください。
開示:
1 1GB=10億バイト。1TB=1,000,000,000,000. 実際のユーザーストレージ容量は若干少なくなります。
2 1MB/秒 = 100万バイト/秒。社内テストに基づきます。パフォーマンスは、ホスト機器、使用状況、ドライブの容量、その他の要因により異なる場合があります。USB 3.0ポートが必要です。
3 フルHDビデオ(1920x1080)、4K UHDビデオ(3840x2160)、5K(5120x2880)のサポートについては、ご使用の機器、ファイルサイズ、解像度、圧縮率、ビットレート、撮影内容、その他の状況に依存します。サンディスク公式Webサイトをご覧ください。
製品仕様は予告なしに変更されることがあります。写真は、実際の製品と異なる場合があります。
SanDisk、SanDiskのロゴ、SanDisk Extreme PRO、SD Express、およびThermAdaptは、米国およびその他の国におけるSanDisk Corporationまたはその関連会社の登録商標または商標です。microSD、microSDXCのマークおよびロゴは、SD-3C LLCの商標です。NVMeのワードマークは、NVM Express, Incの商標です。PCIeは、PCI-SIGの登録商標です。その他すべての商標は、各所有者に帰属します。
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